@ 格安リゾート「ロイヤル・ソラリス・カンクン」  
     
A オールインクルーシブ・リゾートの優雅な1日  
     
B 空中散歩、スカイライダー(パラセイル)に挑戦  
     
  C マヤ遺跡「チェチェン・イツアー」観光  
     
◇ その他、一般情報  
     
  旅行期間 :2011年2月28日〜3月5日
為替レート:1メキシコ・ペソ=7円
1アメリカ・ドル(US$)=85円 として換算。
 
     
@ 格安リゾート「ロイヤル・ソラリス・カンクン」
  メキシコ・カンクンのリゾート『ロイヤル・ソラリス・カンクン』に妻と2人で滞在してきた。エクスペディアからの予約で、宿泊代金は2名1室利用で5泊して総額92633円、1人1泊9000円程度の格安料金に私は飛びついた。何故なら、このホテルはオールインクルーシブ・リゾートなので、朝食・昼食・ティータイム・夕食・ソフトドリンク・アルコール飲料は全て宿泊代金に含まれている。即ち飲み食いタダ!

ホテル正面玄関に掲げてある正規料金を見てみると、ホテルルームに2人で泊まって1人1泊$180(約15000円)となっている。オールインクルーシブで税・サ込みの値段。我々は1人1泊9000円程度で泊まっているので40%オフになる。しかし、ネット全盛の現代、正規料金で泊まる人などいないであろう。

ロイヤル・ソラリス・カンクン(写真1)はカンクンのホテルゾーンの南の方に位置する大型のリゾートホテルである。チェックインカウンター(写真2)でルームキーを受け取る。予約時の部屋のカテゴリーはホテルタイプの「デラックス・オーシャンビュー」であったが、なぜかクラブメンバー用の部屋に無料アップグレードしてくれた。

実は、ロイヤル・ソラリス・カンクンは世界的なリゾートクラブ交換システム「RCI」に加盟しており、メンバー用のグレードアップした部屋もある。2011年3月現在ロイヤル・ソラリス・カンクンはゴールドクラウン・リゾートにも認定されているが、残念ながら高級リゾートとは縁遠いファミリー向けの大衆リゾートである。

さて、大いに期待を込めて我々の部屋、1140号室(写真3)に入る。大きなベッドが2台あり快適に滞在できそうである。この部屋にはミニキッチン(写真4)があり、電子レンジ・コーヒーメーカー・流し・各種食器類もそろっている。ただし、オールインクルーシブなのであまり利用しない。バスルーム(写真5)も結構広い。おまけにバスタブはジャグジー付である。これはいい。しかし、全体的に古く洗練さに欠ける。

この部屋はホテル棟の南のコーナーに位置しており、三角形の広いバルコニーがある。私はこのバルコニー(写真6)が大いに気に入った。バルコニーからの眺め(写真7)を楽しむ。カリビアン・ブルーの海(写真8)は文句なく素晴らしい。天気がよく風も少ない日にはスカイライダー(写真9)があちこちに飛んでいる。

朝の静かなホテル・ラウンジ(写真10)。この一角でタイムシェアのリゾートクラブ会員権販売が行われる。販売説明を受ければ色々特典がもらえるが、時間がかかるし断る時に気まずくなるので今回は参加を止めた。

ホテルにパソコンルーム(写真11)がありインターネットは有料でできる。スパハウスもあるが、スパは高いのでやめて、サウナ、ジャグジー(1回$15)のみ利用してみた。サウナ上がりのリラクゼーションルームがなく×である。ホテルのバーラウンジ(写真12)は夕方から夜にかけて非常に混み合う。バーで何を注文しても無料なので、いつも列をなしている。

カンクンのホテルゾーンを南北に走る「ククルカン通り」(写真13)を越えてラグーン(潟)に行く。ククルカン通りを越すとすぐにラグーン(写真14)になる。ここにロイヤル・ソラリス専用のハーバーがあり、カヤック、ボート、ヨット(写真15)等を借りてマリンスポーツが楽しめる。ヨットが操縦できれば自由にラグーンを走れる。モーター付きのボート以外は全て無料である。

 
     
A オールインクルーシブ・リゾートの優雅な1日
  ロイヤル・ソラリス・カンクンでの1日のはじまり。東の空が赤く染まり日の出が近い。早速ビーチ(写真16)に出て荘厳な日の出を迎える。太陽が昇ると空も海も青くなり、カリブ海(写真17)が輝き出す。ホテルのプールサイドには所狭しとチェアー(写真18)が置かれ、早くも椅子取りが行われている。ビーチタオルを椅子にかけて、本でも置いておけば、その席はあなたのものになる。

散歩の後は朝食である。妻と朝食ビュッフェレストラン(写真19)に行く。ビュッフェ・カウンターからピックアップして私の朝食メニュー(写真20)を作る。どれも結構うまい。しかし、朝から食べ過ぎに注意!昼も夜も食べ放題、飲み放題である。

朝食後、妻と一緒に散歩をする。ホテルの一角に海を眺める椅子(写真21)が並んでいる。冬のカンクンは暖かく、しかも乾期なので抜けるような青空が広がる。カリビアンブルーの海(写真22)はこの上なく美しい。よって、冬の寒いカナダやアメリカ北部、ヨーロッパ諸国からの避寒地としてカンクンは最高の場所となる。しかし、冬場はいつも東から強い風が吹き、波が高い。よってビーチでは遊泳禁止の赤い旗が立つ。

ビーチから見上げたロイヤル・ソラリス・カンクン(写真23)が朝日に白く輝く。このビーチの一角に屋外スパハウス(写真24)がある。ビーチサイドにあるジャグジー(写真25)も素晴らしい。しかし、残念ながらこのジャグジーはロイヤル・ソラリスの隣のホテル「GR カリベ」の施設で、両ホテルは提携しており自由に往来できる。
ランチ(写真26)はビーチに面したレストランでとることにする。目の前は青い海!トロピカル・カクテル、ジュースを注文し、新鮮な野菜や果物を中心に、ビュッフェカウンターからランチメニュー(写真27)を作る。仕上げはケーキ、アイスクリーム、コーヒー(写真28)。食べ放題・飲み放題のオールインクルーシブは食事の時にお金の心配をしなくてよい。

昼頃になると強烈な太陽がカンクンのビーチ(写真29)を照りつける。プールサイド(写真30)ではホテルスタッフが色々な企画をして滞在客を楽しませてくれる。中でも若い女性のビキニコンテストがいい。小さな子ども専用の遊び場(写真31)が作ってあり、ホテルスタッフ(保育係?)も常駐している。フィットネスクラブ(写真32)もあり、運動不足・ダイエットに利用できる。

夕暮れのカンクンのビーチ(写真33)も素晴らしい。夕食前のひととき、ホテルのロビーラウンジの一角ではアルコール入りのメキシカンコーヒーのサービス(写真34)がある。もちろん、普通のコーヒーもOKなので、甘いクッキーとコーヒーをもらって部屋に入る。

夕食は3カ所のレストランで営業している。朝食と同じビュッフェレストラン「Las Fuentes」に行く。今日はイタリアン・フェアーである。夕食後、ホテル専用の劇場に行き、ショー(写真35)を見る。かなり本格的なパフォーマンスで言葉なしでも楽しめる。ミュージカル版の歌と踊り(写真36)も多い。1時間のショータイムは毎晩行われ、まるで豪華客船クルーズ並のサービスである。

 
     
B 空中散歩、スカイライダー(パラセイル)に挑戦
  目覚めの朝、バルコニーに出ると素晴らしいカンクンの朝(写真37)が出迎えてくれる。いつもながら我々は早起きして一番に朝食レストラン(写真38)に入る。今日の朝食も豪華ビュッフェ(写真39)である。朝からこんなに食べて大丈夫かと思うが、心が解放されているので何を食べてもうまい。

朝食の後、バルコニーで読書をしていると空中を遊泳するパラセイル(写真40)が見える。よく見てみると2人乗りであり、妻が乗りたい!と駄々をこねる。私は気乗りがしなかったが、天気が良かったので2人乗りの「スカイライダー」にトライしてみる。出発はヒルトン・ホテル(写真41)のビーチから。料金は1人$50。

カンクンの波は荒い。ジェットボート(写真42)にまたがり、荒波を乗り越えて沖のボートに向かう。これが結構スリルがある。沖で待機しているボート(写真43)までの道のりが長く感じられた。アップダウンが激しく海水も、もろにかぶる。結構ワイルドだ!

ボートに乗ってみると意外と広くて快適である。前のカップルがこれからスカイライド(写真44)をはじめる。ボートはスピードを上げてカリブの海を走る。それにつれてパラセイル(写真45)はどんどん高く舞い上がる。恐くないのかよ〜。

お次は我々の番だ。椅子に座ってもシートベルトがない。これで大丈夫かよ?と不安を感じる間もなく出発!最初は少し恐かったがすぐに慣れてきた。しかし、両手を離して写真を撮るときは緊張する。上空から眺めるカンクン(写真46)は絶景の一言である。天国に近い空間(写真47)を漂う……。生まれてはじめての経験に大感動だ。こんな感じで天国に昇っていけるなら死んでもいい…。

スカイライド終了後、ヒルトンホテルのプール(写真48)を見学する。大きなプール(写真49)が海に消えていくような設計になっている。さすがに高級感溢れるプール(写真50)である。ロイヤル・ソラリスのプールとはレベルが違う。ヒルトンホテルからロイヤル・ソラリスまでビーチを歩いて帰ってくる。途中、パブリック・ビーチがあり即席のビーチマッサージ(写真51)の店がオープンしていた。

ロイヤル・ソラリスの客室にもどってくると、タオルによる犬達のお出迎え(写真52)に会う。客室係の嬉しいプレゼントである。客室の冷蔵庫には水、ジュース、コーラ、メキシコ産ビールが入っており、いつでも無料で飲める。

本日のランチ(写真53)は我々の定番になったビーチサイドレストランにてとる。午後の強烈な日差しにカリブ海がまぶしく輝いている。気温もぐんぐん上昇し暑くなってくる。これが日本の真冬の2月とは信じられない。

午後のプール(写真54)は一層賑やかになる。このホテルは小さな子供連れのファミリーが多い。仲良し父と娘(写真55)の幸せな風景もいい。プールバー(写真56)もあり、プールの中に座ってドリンクを注文できる。午後のカンクンのビーチは決して見飽きない風景である。

ビュッフェレストラン(写真57)では毎夜趣向を凝らした各国料理が提供される。また、人気が高いがレストラン「マルコポーロ」(写真58)では着席してコース料理が味わえる。マルコポーロはドレスコードもあるきちっとしたレストランで雰囲気がいい。

前菜(写真59)、サラダ、スープ、メイン(写真60)、デザート(写真61)…、適当に料理を注文する。英語メニューなので料理の中身はよくわからない。出たとこ勝負のような感じでおもしろい。不味ければ残せばいい。料理は飲み物を含めてすべて無料なので安心して注文できる。(アルコールも無料)レストランの雰囲気、サービス、料理の味、ともに合格である。

いつものように夕食後はシアターに行く。ストリップ劇場さながらの怪しい踊り(写真62)。古代エジプトのファラオの雰囲気の踊り(写真63)。そして、フィナーレ(写真64)。1人1泊約9000円、サービス満点のオールインクルーシブ・リゾート「ロイヤル・ソラリス・カンクン」は結構楽しめる。

 
     
C マヤ遺跡「チェチェン・イツアー」観光
  カンクン滞在中、世界遺産「チチェン・イツァ」ツアーに参加する。日程と料金より英語・スペイン語ガイドツアー(1人$77)にしたが、説明が理解不能なので少々反省する。勉強好きな人にとっては割高でも日本語ガイドのツアーにすべきであろう。

ユカタン半島は石灰岩地層のため、水が地表を流れず地下に潜ってしまう。セノーテとは、地下を流れる川の上部の表土が陥没してできた自然の井戸である。当時、水は非常に貴重なもので、セノーテのあるところを選んで都市が造られたという。ユカタン半島に降った雨が地下水となり、最後はカリブ海に注ぐ。よって泥のない透明な地下水が流れ出るカンクンの海は美しい。

さて、チチェン・イツァはカンクンから200qも離れたユカタン半島の密林の中にある。朝7:45ホテル出発、3時間くらいバスに乗ってチチェン・イツァ近くの巨大な「セノーテ」に向かう。バスは古くて快適さに欠けたが、セノーテ(写真65)は想像以上にスケールがでかく、一気に気持ちが盛り上がる。

真っ先にトンネル(写真66)をくぐってセノーテに降りていく。トンネルは所々、セノーテ側に開いており、中間地点からセノーテ(写真67)を眺めてみる。壁側に多くの人が一列に並び、次々に池に飛び込んでいく。そしてセノーテの底(写真68)に到着。老若男女、国籍不明、実に多くの人々が楽しそうに泳いでいる。私も飛び込みたかったが、1時間の自由時間では時間が足りない。

セノーテ見学の後、近くのホテルでランチタイムとなる。綺麗なガーデンプール(写真69)の周りを通ってレストランに行く。巨大パラパのレストラン(写真70)に入り、ビュッフェのライチを楽しむ。お味は普通。ランチ代金はツアーに含まれており、飲み物のみ別料金である。

ランチの後は、いよいよチチェン・イツァ観光である。遺跡入口はかなり込んでいる。謎に包まれた古代マヤの巨大遺跡は人気が高い。入場口から人の流れに沿って広い道を歩いて行くと、突然、巨大ピラミッド(写真71)が出現する。底辺55.5m、高さ24m。チチェン・イツァのシンボル「エル・カスティージョ(ククルカン・ピラミッド)」である。ピラミッドの4つの面にはそれぞれ91段の階段(写真72)があり、4面合計364段、そして、神殿に上がる1段を加えて合計365段になる。各段が1日を表しており太陽暦を具現している。お見事!

ククルカンとは「羽をもつ蛇の姿をした神」のことを意味する。ピラミッドの台座に蛇の頭部(写真73)のみがあり、胴体はない。しかし、年2回、春分と秋分の日に頭部の上にある階段の側面に光と影の部分ができ、蛇の羽となって映し出されるという。これを「ククルカンの降臨」という。降臨の日には世界中から観光客が詰め掛けるという。

ユカタン半島は川がなく土地が痩せている。密林に覆われたこの地にこれだけの広さの巨大建造物を造り上げた古代トルティカ・マヤ人達の天文学・建築学の知識と組織力は相当なものである。

次に「ジャガーの神殿」(写真74)に向かう。ジャガーの神殿下部にも蛇(写真75)がにらみをきかせている。そして、ジャガーの神殿を回り込むと巨大な「球技場」となる。南北168m、東西70mもある広い球技場で、ここでは神の国へ行くための恐ろしい競技「フエゴ・デ・ペロタ」が行われたという。

競技「フエゴ・デ・ペロタ」は1チーム7名の選手で敵・味方に別れ、腰でゴムのボールを打ち合う。そして、壁の上部に突き出しているリング(写真76)の穴にボールを通し、何回通したかで勝敗が決まる。「シカレ・ナイト」で実際の競技の模様が再現される。競技場の南北には高貴な人達の観覧席が設けられ、北の神殿には最高位の神官が、南の神殿には関係者が座って競技を観戦したという。

競技「フエゴ・デ・ペロタ」の恐ろしさは、競技終了後にはじまる。勝ったチームのリーダー(敗者という説もある)が生贄(いけにえ)になるのである。しかも、競技者は身分の高い神官たちであったという。神官たちは必死で戦い、勝者は生贄となって神の国に召される。生け贄の儀式の様子は相当グロテスクだったらしく、「生贄の台座」(写真77)には南北60m、東西12mにわたって、壁面全体にドクロ(写真78)が描かれている。

「鷲とジャガーの神殿」(写真79)で生け贄の儀式が行われ、切り落とした首を生け贄の台座に並べたといわれる。鷲とジャガーの神殿の壁面に残っているレリーフ(写真80)には鷲が人間の心臓(手に持っているおにぎり形のもの)を食べている。即ち、生け贄の儀式において、勝利者は首を切り落とされ、心臓を取り出され、さらに……。

古代市場の前には、現代の市場(写真81)が店を開いている。この場所以外にも遺跡内の至る所で店が開いている。「戦士の神殿」(写真82)の底辺の幅は40mあり、周囲を戦士の絵を飾った無数の柱で囲まれている。戦士の神殿の前にある「千本柱の回廊」(写真83)。柱の表面には軍人のレリーフが彫られている。当時はこの柱の上に屋根が載っていたという。

最後にチチェン・イツァ遺跡内の聖なる泉セノーテに向かう。道の両側には土産物屋(写真84)がずらりと並んでいる。土産物屋の小道を通り抜けると「聖なる泉セノーテ」(写真85)に至る。南北50m、東西60m、深さ20m。失礼ながら何となく汚らしいセノーテである。

伝説によれば、王たちが占いをするために、美しい少女を「日の出とともにセノーテに投げ込み、正午まで生きていれば神の言葉を持ち帰るものとみなし泉から引き上げた」という。注:「シカレ・ナイト」は白い服を着た小さな少女の歌ではじまる。泉の底から19体の女性の骨が発見されている。生け贄を好む人間の残虐性は古代から現代まで続き、文明の発展とは無関係である。人間は「残虐性」を克服できるか?

午後3時、チチェン・イツァを出発し、再びバスに揺られて、夕方6時過ぎにホテルに到着、長くも充実した1日ツアーであった。

 
     
◇ その他、一般情報
  ◎カンクン情報(日本語)
http://homepage1.nifty.com/cancun-on-site/

◎ロイヤル・ソラリス・カンクン
http://www.clubsolaris.com/v4/

◎シカレ・ナイト
http://4travel.jp/traveler/funasan/album/10321924/
上記はフォートラベルにアップした私の旅行記

                                        (2011年6月 掲載)